中年の意地の復活?山歩き再開レポート目次

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痛い、だるい、喉が渇く、で結局あまり熟睡できていない。自分のいびきもうるさいのだが、他人のいびきもうるさい。

問題の左膝が焼けるように痛い。
昨日より更に状態が悪く、広場をカメラ持ってうろつく間も痛くてかなわない。

5:15の早い朝ご飯を食べて朝の富士山を撮っていたが、気持ちの中は既にどうやって下山するか?だった。歩けないということではないので、時間さえかければ大丈夫なんだという気持ちはあるものの、実際歩き出してどのくらいダメージが追加されるのか想像がつかず不安を覚えてきた。

食事を終えてから、思い切って荷物を外に運び出し、靴を履いて写真を撮っているうちに少しはちゃんと歩けそうな感じになってきた。(気がした。)
膝がわずかにしか曲げられないので先が思いやられる。注文した弁当を取りにいった際に石井オーナーに下山ルートで最短コースを聞くと、やはり大倉尾根を下るのが一番早いということ。
もう四の五の考えていても仕方ないので、気合を入れて6:10下山開始。 本当なら今日一日もっと山を楽しむだけの時間があるのにこの早朝から速攻下山となる自分が恨めしい。

竜ヶ馬場へ向かう途中の大したことのないはずの木階段がしんどい。傍目は明らかにはぐれた敗残兵が本隊へ合流するために必死で追っかけている図である。かっこ悪いがいたし方ない。この遅さに気持ちが負けるのは悔しいので、余裕かまして写真を撮りながら歩く。
昨日と違って青空がすっきりと広がっているので富士の姿は絶品。

この時間帯ですでに塔ノ岳方面からたくさんの人が丹沢山目指して歩いてきている。
きっと丹沢山経由で主脈に抜ける予定の人たちなのだろう。「いいなぁ、故障さえなけりゃもうチョイ遊んでいたいのになぁ・・・・」とついついぼやきが出てくる。
登りは特に大きなダメージを感じないのがせめてもの救い。大体昨日と同じタイムで塔ノ岳に戻る。山頂は昨日と違って人もまばら。
すごく感じの良い若いカップルが昨日の小屋泊まりの様子を聞いてくる。彼らは幕営(ホントはダメなんでしょ?ここら一帯)で混雑とは無縁だから、いかに混んでいたかを丁寧に説明してあげた。テントを重たいのに持ってきて良かったヨネ、とか微笑んでいるので、本当はダメなんだよ、と心の中で叱ってやった。

途中ですれ違った人の話では、尊仏山荘は一応布団1枚に1人が寝られたらしい。そういうことも結果論なので、基本的にはのんびりしたけりゃ混む時期を外せ!ということの方が真実だと思う。

尊仏山荘付近はころころの鹿の糞がいっぱい。尊仏山荘に向かう途中でも鹿を見かけた。人の気配では逃げない。慣れている。
下界の開発に追われて高い方へ高い方へ移動してくるので、植栽を食べ尽くしてしまわないように鹿の防護ネットが張られている。
追い上げられて上がったら、それ以上行けないというのも鹿にとってみれば「どぉしろっていうのよ〜!」と言い兼ねない。
青木さやかのような鹿がいたら、にっこり笑ってメンチ切られていそうだ。

にっこり爽やかカップルの女の子の方が僕がデジカメを出し始めたのに気づいて「お撮りしますか?」と申し出てくださったのでお言葉に甘えてシャッターを押してもらう。

 

今回の山行で初めて自分が被写体になった。これで一応は丹沢に来ていたことがわかるから家族にも言い訳が立つ。

その二人連れは大倉を目指して軽快に尾根を下っていった。見送りながら今度は自分が出なければならない、と思うだけで憂鬱である。マップ上の下りタイムは休憩無しで大体2.5時間。天候はドピーカンだし、適当に休み休みしていれば多分倍近くかかるだろうと踏んで、7:40塔ノ岳を後にする。
予定通り遅々としてペースは上がらず、初めての大倉尾根の下りはダラダラどころではなくてけっこう急な下りになっている箇所やガレのある場所もあり、永遠にこの下り坂が続くのじゃないかとという空しさすら感じる。

登りの人たちは逆に永遠にこの登りが続くのじゃないかと思っているようだった。何故なら僕が下りは苦手なので登り優先で脇に避けて待っていると「とにかくどうぞ、先に下りてください。」と言われる。こっちもじりじりとしか下りられないので迷惑をかけるから「いえいえ、どうぞ上がってきてください。」「いえいえそちらこそ。」なんて無駄なやり取りが何度もあった。しょうがないから何度かは理由を説明して上がってもらった。説明する自分がかっこ悪い。

この頂上の写真を最後に写真を撮る余裕など完全に吹っ飛んでしまった。大倉バス停まで脚を引きずりながら下りること4時間。
正直なところ、本当に泣きが入りそうになったことが何度かあったし、情けないの一言でこの山行が終わってしまって悔しい限り。それなりに前半は楽しめたから良いものの、二日目は全く良いことなし。ひとまずは自力で無事に下りることができたことだけ良しとしなければ。
これから梅雨を経過して暑い時期に入る。基礎体力つけて梅雨明けに再び丹沢に行くか・・・・・・檜洞丸まで延々と歩くのもぜひやってみたいことだし。今日もシップを貼ってひとまず社会復帰するための準備をするのである。

ここに来て分かったことは、比較的手軽なレベルにも体がついていけない自分の力量。中年になって山を始められる皆様、過去の運動経験の栄光など何もないというところからスタートしましょう。本格的にやるにはそれなりの体が必要。健康に老いるためにも使わない筋肉を目覚めさせるトレーニングをした方が良さそう。

溝の口に戻ってきて餃子の王将で1人打ち上げ。地図とにらめっこしつつ餃子二人前と生ビールで大禍なく棲家まで戻ってこられたことに乾杯!

丹沢初山行 [1] [2] [3] [4]  
   
  2005年09月04日

 

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