中年の意地の復活?山歩き再開レポート目次

今だ!今しかない!

6/26(土)、展示会用のデモムービーの仕事の仕上げをしていて自宅に戻ったのがすっかり朝となった4時。眠くて眠くてたまらず、泥のように爆睡。
前日に妙高高原にある旅館の専務さんに山開き直前の妙高の残雪の具合などを聞く。「特に軽アイゼンが必要なのは妙高山の外輪山の斜面あたりだけだと思うけど。多分、他のところは雪解けが今年は異様に早かったから問題ないでしょう。」とのこと。
27日の正午ごろに目が覚めて、ぼぉ〜とした状態のまま、朝昼兼用のざる蕎麦と賞味期限切れのシシャモを天麩羅にしてハラハラしながら食事を終える。
ヤフーの天気予報で見ると妙高高原は天気は悪いとなっているものの、天気図では高気圧がどんと居座っているのでなんとかなるのではないかと思って、大急ぎで山道具をアタックザックに詰めた。

(霧の一瞬の切れ間に見えた火打山)

仕事の書類とネクタイとスラックスも持って・・・・

自宅のある新潟で仕事をしなくてはならないのは29日。28日は休暇の予定だった土曜に出た分の振替で休み。
最初から月曜は新潟でのんびりしているつもりだったが、事前情報で完全に月曜は山行きすることに決定。
この梅雨の合間で多少でも天気が持ちそうなこのチャンスに行かんでなるものかと、アタックザックの背面にはドキュメント2冊と打合せ用のレポート用紙、作業用のCD-ROMなどを詰め込み、2気室あるザックの下のスペースにはコインローファーとスラックス、Yシャツ、ネクタイを詰める。
午後3時、洗濯物をハンガーにかけて室内に干し、慌て気味に溝の口駅に向かう。途中書店で妙高山系の登山マップを購入。
東京駅を4時半ごろの新幹線で出て、直江津には7時少し前に到着。妻の迎えで自宅に帰る。

翌朝、早番の妻を職場に送ってそのままの足で妙高へ行く。
国道18号からは妙高が曇り空の中ではあったが、くっきりと見えていた。妙高の右隣には長い稜線に続いて、今回目指す火打山が見えている。谷筋にはまだ残雪が鮮やかだ。
妙高高原赤倉温泉に近づくにつれ、山の方はガスがかかって来ている。一昨日、山の情報を訪ねた旅館エスペロの専務さんのところに様子伺いがてら朝のお茶をご馳走になりに行く。

「ホントに今日山に上がるの?きっと霧で何も見えないよ。」と専務さん
「やぁ〜あんまりやばけりゃ止めるんですけどね。とりあえず笹ヶ峰までは行ってみて、そこから偵察で富士見平あたりまで上がってる間に雨になってきたら降りてきますよ。」(どうにか少しでも山に上がりたい一心)
「そぉ、あんまり良い天気じゃないみたいだよ、一日。」
「ま、とりあえず2時間限度で偵察してきますから。」と僕。結局、専務さんには「ハクサンコザクラが今年は少し早く開花しているらしいから、できたら写真を撮ってきてみて。」と頼まれる。

笹ヶ峰に上がり始めるとだんだん天気が回復してきており、時々薄日が射している。運が向いてきたようだ。気合の差か?日頃の行いか・・・・・・
赤倉温泉から25分ほどで笹ヶ峰に到着。明星荘前の駐車場に車を止める。入山届箱を見ると先行して昨日から6パーティーほど山に入っているようだ。
朝のスタートがのんびりしていたので時刻はすでに9時10分を回っている。ちょっと遅い。急いで身支度をして入山届を書いて木道を歩き始めた。さほど気温も高くなく、気持ちの良い森林帯を黒沢に向かって歩く。
木道は整備されてさほど経っていないようで新しく、滑り止めのゴムまでボルトで取り付けてある。実はこれが下りの時に絶妙の働きをしていることにはまだ気づかなかった。

木道をダラダラと上がること40分ほど経つと沢の水音が聞こえてきた。
黒沢はもう少しである。高度も徐々に上がってきているが、こっちの息もそれなりに上がっている。毎度の悪い癖で一人だと街中を歩くくらいのスピードで歩いてしまうから、序盤で一度疲れが来てしまう。日常的な睡眠不足も後押ししている。
途中で花の写真を撮りながら行こうと思ってデジカメをザックから取り出す。この一年ほど使用しているパナソニックのFZ-1は軽くてズームもマクロも結構パワーがあるので便利に使っている。以前に使っていたサイバーショットF-505Vはでかくてバッテリーの持ちが悪くて山に持って上がる気にならない。その点FZ-1は画素数こそ貧弱なもののWEBで使う程度ならこれで十分であるし、バッテリーの消耗が遅いのも助かる。

さて、低めの標高の花など撮りましょう、と思ってスイッチオンするとディスプレーには「メディアがセットされていません。」という冷酷なメッセージ。
「ヴぁ〜SDメモリーをデスクのメディアリーダーにセットしたままだっ!」山道で大声を出してしまった。「サブ、サブ、サブの8MBのメディア、メディア・・・」と念仏のように唱えながら、付属品のパックを開くと「あった、メモリー」
8MBだとフルサイズの解像度では8枚くらいしか撮れないので泣く泣く640×480ピクセルにセットして枚数だけは33枚くらい撮影できるようにしておいた。前日に取材で撮影してきた画像の転送をして、そのまま忘れてしまったことが実に恨めしい。

黒沢に到着する。どうどうと音を立てて流れる力強い沢だ。コンクリート製の橋を渡って、いよいよマップ上で急登坂となっている十二曲りに入る。
黒沢で最近手放せないトレッキングポールをザックから取り出し、臨戦体制で歩き始める。
足元は前日までの雨でぬたぬたのぬかるみになっていて歩きづらいし、ズボンの裾が汚れて仕方がないので黒沢の手前でスパッツを付けたのだが、ここへ来てますます正解。
急坂を登る時、岩や木の根で足元が狭いのでどうしても靴が反対側の足を擦ってしまうのでスパッツはあっという間に泥まみれである。転ばぬ先の杖とはこのことだな、と思った。

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  2005年09月04日

 

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